【半導体不足】交通系ICカード「Suica」「PASMO」が発売中止

交通系ICカード「Suica」「PASMO」の無記名カード販売の新規販売が、
2023年6月8日から一時中止になっています。

JR東日本、PASMO協議会、東京モノレール、
東京臨海高速鉄道の連名による6月2日付リリースによると、
世界的な半導体不足で、必要なICチップの入手が困難なのが理由だということです。

この影響で、無記名式のカードは転売が発生しています。
フリマアプリ「メルカリ」では、残額なしの無記名Suicaカード、
PASMOカードが1枚1000~2000円程度で出品、取引されているケースが見られます。

これは、無記名式のカードは登録や手続きが不要で、
誰でも使えるという特徴があるためです。

一方で、記名式のカードやスマートフォンアプリは引き続き利用できます。
記名式のカードは、「My Suica(記名式)」や「Suica定期券」などで、
万一紛失しても再発行が可能です。

スマートフォンアプリは、
「モバイルSuica」「Apple PayのPASMO」、
「モバイルPASMO」などで、カードを持たずとも使えます。

現在、無記名カード販売の再開時期は未定です。
再開されるまでは、記名式のカードや
スマートフォンアプリを利用することをおすすめします。

Q.半導体って資源が多いシリコンを使っているんでしょ?
何で不足するの?世界の誰かが塞き止めてるの?

A.半導体は、電気を通す「導体」と電気を通さない
「絶縁体」の中間の性質を持つ物質で、電子部品によく使用されます。

シリコンが代表的な半導体の原料ですが、
半導体の製造にはシリコン以外にも多くの素材や工程が必要です。
そのため、単にシリコンが豊富だからといって半導体が不足しないとは限りません。

半導体不足の原因には、
主に需要の急拡大と供給体制のひっ迫の2つの要因があります。
以下に詳しく説明します。

– 需要の急拡大

新型コロナウイルスの感染拡大により、
テレワークやオンライン教育などで
パソコンやスマートフォンなどの通信機器の需要が急増しました。

5Gや電気自動車、AIなどの新技術の発展に伴い、
高性能な半導体への需要も高まりました。

家で過ごす時間が増えたことで、
テレビやゲーム機などの娯楽機器への需要も拡大しました。

– 供給体制のひっ迫

米国と中国の貿易摩擦により、
米国は中国企業への制裁を強化し、半導体の輸出入を制限しました。
これにより、中国から米国への半導体供給量が減少しました。

半導体メーカーは受託製造メーカー(ファウンドリー)に依存する傾向が強く、
台湾や韓国など東アジア地域に集中しています。
しかし、これらのファウンドリーは需要増に対応しきれず、
生産能力が限界に達しました。

工場火災や大寒波などの災害により、
一部の半導体工場が操業停止や減産を余儀なくされました。
サプライチェーンの混乱や輸送コストの急騰により、
半導体部品や素材の調達や配送にも遅延や不安定さが生じました。

以上が半導体不足の主な原因です。
世界的な半導体不足は2023年前半から徐々に解消する見込みですが、
その後も供給過剰や地政学的リスクなど新たな課題が発生する可能性もあります。

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