「財務省が黒幕で自民党が動かされているだけ」
とか「財務省解体デモ」
「財務省、文書改ざん問題で職員20人を処分へ」
などがありますが、財務省とは
何をするところなのでしょうか?
中学生に分かりやすく教えてください。
そもそも「財務省」って何?
財務省は、日本の中央省庁のひとつ。
昔は「大蔵省(おおくらしょう)」という名前でしたが、
2001年(平成13年)の省庁再編で金融行政の一部を金融庁に分けて、
現在の「財務省」が発足しました。
財務省の本庁舎は東京・霞が関にあって、
国会や他の省庁が近くに集まる「官庁街」に位置しています。

財務省がやっている主な仕事(業務内容)
「財務省=国のお金を扱う省庁」
というイメージが正しいですが、その中でも役割はかなりたくさんあります。
中学生レベルでわかるように、
仕事を「お金の収入側」「お金の支出側」
「そのほか」の3つくらいに分けて説明します。
| 区分 | 主な仕事 | やっていることの例 |
|---|---|---|
| 収入側に関する仕事 | 税金・税制の設計/国税庁との関係 | 国民や企業から集める税金(所得税、法人税、消費税など)の制度をどうするかを考える。税率を決めたり、優遇措置(減税・控除など)を設定したりする。 |
| 支出・予算側の仕事 | 予算のつくり方、国のお金の振り分け | 各省(文部科学省、厚生労働省、防衛省など)が「これだけお金が必要です」と要求してくるので、それを調整して、国全体で使えるお金をどう分けるか決める。これを「予算編成(へんせい)」と言う。 |
| 国債・借金、国庫管理 | 借金の発行、国庫(国のお金の財布)を管理 | 国の支出が税金だけでまかなえないとき、国債(国の借金)を発行して資金を調達する。国のお金(国庫)の出入りを管理する。 |
| 関税・貿易関連 | 輸入品にかける税(関税)や、海外との取り決め | 外国からモノを輸入するときに関税をかけたり、国際貿易協定を結んだりする。税関(関税を扱う場所)も関与する。 |
| 通貨・為替・国際金融 | 通貨制度、外国為替、国際取引 | 円の価値を保つとか、外国のお金(ドルやユーロなど)との交換レート(為替相場)を安定させる。国際的な金融の場で「日本はこういう立場でやります」という政策づくりをする。 |
| 調査・研究・総合調整 | 各分野を横断して政策を考える、他省庁との調整 | いろんな省庁が絡むこと(教育、福祉、外交など)もあるので、全体最適を考えたり、将来を見越して研究したりする。 |
なぜ「財務省が黒幕」「財務省解体デモ」などの声が出るのか?
ニュースやSNSで
「財務省が国をコントロールしている」
「政治家は財務省に操られている」
など言われることがあります。
これは100%ウソとも言えないけれど、
単純に信じるのは危ないので、注意して考える必要があります。
以下のようなポイントを押さえておくといいでしょう。
影響力が大きいポジションだからこそ批判されやすい
財務省は、お金・税金・借金・予算など
国を動かす土台となる部分を握っているので、
政策にも強く影響を与える可能性があります。
だから、国民生活が苦しいときや税金が高いと感じると、
「この省庁が悪さをしているのでは?」という疑いが向かいやすい。
実際の権限には限界もある
政治家(国会議員、内閣)が
決めるべきこと(法律・予算案など)はあります。
財務省はあくまで行政機関で、
「どういう案を作るかを提案する」
「実行する」役割が主で、最終決定は政治家が行います。
また、「財務省担当者が全部裏で操っている」
という見方は行きすぎな場合も多く、
証拠を伴わない発言には注意が必要です。
デモ・抗議運動と真偽の混在
最近、「財務省解体デモ」
などの動きが報じられているのも事実。
2018年には、公文書の改ざん問題が発覚しました。
これは、財務省が森友学園との国有地取引に
関する文書を改ざんしていたという事件で、
日本の行政機関としての信頼を大きく損ねました。
複数の職員が処分され、一人の職員が
命を絶つという痛ましい結果にもつながりました。
この事件は「行政の信頼」と「官僚の倫理」
を問う象徴的な出来事として、今も語り継がれています。
財務省自身も当時の検証報告書を公表し、
組織として再発防止を掲げましたが、
国民の中には「本当に変わったのか?」
という疑念も根強く残っています。


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