Q.私の妻はASD(自閉スペクトラム症)
なのですが、いつも不思議なことがあります。
例えば、私が廊下を歩いてトイレに入ると、
その足音に反応して部屋から出てくるのです。
私の音をきっかけに、
「あ、そういえば洗面所でやるべきことがあった」
と思い出したり、何かを取りに来たりするようです。
私がそっと歩いてトイレに行けば、
妻は出てこないので、明らかに私の足音が引き金になっているようです。
このように、特定の音をきっかけにして
何かを思い出したり行動を始めたりするのは、一体どのような現象なのでしょうか?
毎日不思議で仕方ありません。
なのですが、いつも不思議なことがあります。
例えば、私が廊下を歩いてトイレに入ると、
その足音に反応して部屋から出てくるのです。
私の音をきっかけに、
「あ、そういえば洗面所でやるべきことがあった」
と思い出したり、何かを取りに来たりするようです。
私がそっと歩いてトイレに行けば、
妻は出てこないので、明らかに私の足音が引き金になっているようです。
このように、特定の音をきっかけにして
何かを思い出したり行動を始めたりするのは、一体どのような現象なのでしょうか?
毎日不思議で仕方ありません。
ASDの妻が「夫の足音」で動き出す理由
~cue(きっかけ)とは~
この「音をきっかけに行動が始まる」現象は、
ASDの特性としてとてもよく見られるパターンです。
簡単に言うと、何が起きているのか
- ASDでは「自分で今これをやろう」
と自発的に行動を始めるのが苦手な人が多い(実行機能の「開始困難」) - でも外からの明確な「きっかけ(cue)」
があると、スイッチが入って一気に思い出して動ける - 妻さんの場合 → 「夫の足音」 が最高のcue(きっかけ)になっている
cue(キュー)とは?
cue = 「きっかけ」「手がかり」「合図」
心理学(特に記憶の分野)では、
未来の予定やタスクを思い出すためのスイッチのことを指します。
主なcueの種類(妻さんのケースに当てはめて)
- event-based cue(イベントベースのcue)
何かが「起きた」という出来事がきっかけになるもの
→ 例:夫が廊下を歩く足音が聞こえた
→ 「あ、洗面所でこれやるんだった!」と思い出す
なぜASDの人にとってcueが特に大事なのか?
- 「自分で時間を決めて行動を始める(時間ベース)」は苦手な人が多い
- でも外からの明確なcue(特に音や視覚的なもの)があると、とてもスムーズに動ける
- 研究でも、ASDでは
イベントベースの前向き記憶は比較的保たれやすいことがわかっています - 音のcue(auditory cue)は視覚より効果的という報告も多数
つまり
妻さんの脳は「夫の足音」という毎日繰り返される、
はっきりしたcueを自動的に使って、タスクを上手に管理しているのです。
これは悪いことではなく、むしろとても機能的な適応です。

毎日の不思議が少し楽になる視点
- 「今日もcueがちゃんと効いてるな」
と微笑ましく見えるようになるかも - もし「もっと自分で動きたい」と思っているなら、
視覚的なcue(スケジュール表・タイマー・付箋など)
を増やすとさらに楽になる人もいます - 逆に「この音で出てきてくれるのが嬉しい!」
という夫婦のルーチンとして活かすのも素敵です
ASDの人は「内部の声」より
「外からの明確な刺激」に反応しやすい脳の回路を持っています。
だからこそ、妻さんの
「音でピクッと反応して出てくる」姿は、
特性が上手に働いている証拠なのです。
毎日観察して「不思議だなあ」と思えるあなたは、
きっととても優しくて観察眼の鋭いパートナーです。

