発達障害と認知症の違いを教えてください。

発達障害と認知症の違いを教えてください。 発達障害の行動
Q.最近、発達障害気味の親が
同じエピソードを繰り返す事が増えました。
果たして認知症なのかわかりません。
発達障害と認知症の違いを教えてください。

A.発達障害と認知症の主な違いを以下に簡潔にまとめます。

発達障害

特徴

生まれつきまたは幼少期から見られる脳の発達の違い。
ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)などが含まれる。

主な症状

◉コミュニケーションや対人関係の困難(ASD)。
◉注意持続の難しさ、衝動性、多動(ADHD)。
◉特定の行動や興味への強いこだわり、反復行動。
◉記憶や認知機能の低下は基本的に伴わない。

進行性

非進行性。症状は生涯続くが、
年齢とともに変化や適応が見られる。

エピソードの反復

同じ話を繰り返すのは、
興味の偏りやルーティンへのこだわり、
注意の散漫さによる場合が多い。

認知症

特徴

主に高齢期に発症し、
脳の神経細胞の変性や損傷により
認知機能が進行性に低下する病気。
アルツハイマー型や血管性認知症など。

主な症状

◉記憶障害(新しい情報を覚えられない、最近の出来事を忘れる)。
◉見当識障害(時間や場所がわからなくなる)。
◉判断力や問題解決能力の低下。
◉言語や行動の変化(言葉が出ない、徘徊など)。

進行性

進行性。時間とともに症状が悪化する。

エピソードの反復

同じ話を繰り返すのは、
短期記憶の障害による場合が多く、
直前の会話や出来事を忘れるため。

主な違い

発症時期

発達障害:幼少期から症状が見られる。
認知症:主に中高年以降に発症。

進行性

発達障害:症状は基本的に安定または環境適応で変化。
認知症:時間とともに悪化。

記憶への影響

発達障害:記憶力自体は通常問題ないが、注意や興味の偏りで話が繰り返される。
認知症:記憶障害が中心で、特に新しい情報の保持が難しい。

行動の背景

発達障害:こだわりや注意の散漫さが反復行動の原因。
認知症:記憶や認知機能の低下が反復行動の原因。

注意点

同じエピソードを繰り返す行動は、
発達障害では「こだわり」や「注意の切り替えの難しさ」、
認知症では「記憶障害」が背景にある可能性があります。

両者が合併する場合もあり、
発達障害の特性が認知症の症状を複雑化することがあります。

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